今回は「蕩れ」という言葉について解説します！
「蕩れ」の読み方は「とれ」で、「萌えの更に一段階上のセンシティブな言葉」という意味の造語です。
『アイドル蕩れ』みたいに使うよ！
ライトノベルの「化物語」というファンタジー小説から生まれました。
この記事では「蕩れ」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ！
蕩れとは？意味は「萌えの一段階上を行くセンシティブな言葉」
「蕩れ(とれ)」の意味＝萌えより更に強い憧れや親愛の情を示す造語
まずは「萌え」について、おさらいしておきましょう。
萌えとは、主にアニメやゲーム、アイドルなどのキャラクター･人物などへの強い愛着心や情熱などの気持ちを表す俗語です。1990年前後から漫画･アニメ愛好者の間で使われ始めました。
「蕩れ」は萌えよりも更に強い、愛着心などの感情を表す言葉とされます。
元は、魂を奪われたようにうっとりして見入る、という意味の「見蕩れる(みとれる)」から造られたようです。
「化物語」というライトノベルから生まれましたが、「萌え」のように一般に広く浸透した言葉ではありません。
同じライトノベルやアニメなどのファン同士の間では通じますが、それ以外の人達には「蕩れ」と言ってもどんな意味かわからないことが多いようです。
限られた範囲でのみ通じる言葉だと覚えておきましょう。
ちなみに、「蕩れ」を入力する場合、「とれ」と打って変換しようとしてもできません。
「とろける」と打つと「蕩ける」と変換されますので、「ける」を消して「れ」と打ちましょう。
「蕩れ」の類義語としては、「萌え」や「尊い」、「オタク」などがあります。
「尊い」は、通常は品位･身分が高い、価値が高い、貴重という意味で使われる言葉ですが、アニメや漫画に対して使う場合は、クリエイターに対する尊敬と感謝の気持ちを込めて、「この作品は尊い」のように使われるようになってきました。
最近ではアイドルや俳優など実在の人物に対して使われることも多くなっています。
「オタク」は近年さまざまな意味で使われるようになっていますが、マンガ･アニメ･アイドルなどのサブカルチャーに没頭し、強いこだわりを持ってその対象に対してかなりのエネルギーを注ぐという点で似ています。
とっても強い「好き」を伝えるときに使う言葉なのね！
蕩れの発祥や元ネタは「ライトノベル『化物語(ばけものがたり)』」
「蕩れ」の元ネタ、発祥＝西尾維新(にしおいしん)原作の登場人物の台詞
「化物語(ばけものがたり)」は、西尾維新作のファンタジー小説です。2006年11月に上巻が、2006年12月に下巻が刊行されました。
2009年にテレビアニメ化、2012年には『化物語 ポータブル』としてゲーム化、2018年に漫画化されました。
ちなみに、「化物語」の前日譚である「傷物語」は総集編として2024年1月12日から劇場公開予定だそうです。映画をきっかけに「蕩れ」が再流行する可能性もありそうですね。
本題に戻りましょう。
「化物語」の作中で、女子高生の戦場ヶ原(せんじょうがはら)ひたぎの台詞として出てきます。
『萌えの更に一段階上を行く、次世代を担うセンシティヴな言葉として、期待が集まっている』と、男子高校生、阿良々木暦(あららぎこよみ)に話しています。
ひたぎから告白された暦が、その返事をする際に、『戦場ヶ原、蕩れ』つまり、「僕は戦場ヶ原が大好きだ」という意味で使ったのが始まりということです。
主に10代のファンの間では通じる言葉でも、成人の世代には浸透しませんでした。告白の際に使っても相手に通じない可能性もあるので注意してくださいね。
告白するときは、相手が「蕩れ」を知ってるかどうかさりげなく確認しておこう！
蕩れの使い方・例文
「蕩れ」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
僕の好きな女性のタイプはメガネの似合う人なんだ。
メガネ蕩れだね！ いいよね、メガネの似合う女性！
使用例②
最近は犬より猫が人気らしいね。
猫耳蕩れの影響かもね！
うーん、それは僕にはわからないけどね･･･
使用例③
彼は頻繁にメイドカフェに通ってるらしいね。この前店に入って行くところを見たわ。
知らなかった？ 彼はもう専門家と言える程のメイド蕩れで有名だよ。
蕩れの類義語や対義語
蕩れの類義語と対義語についても見ていきましょう！
蕩れの類義語
蕩れの類義語としては下記のものがあります。
萌え
萌えは汎用性が高く、人や物にも、感動詞のように使うこともできます。
このケーキのデコレーションかわいい！ 萌え～！
尊い
アイドルや俳優など実在の人物に対して使われることもあります。
彼のファンサービスに関する考え方はとても尊いわ！
オタク
彼はすごい推理オタクで大きな本棚が推理小説で埋まってたよ。
蕩れの対義語
蕩れの対義語はありませんでした。
