今回は「論より証拠」という慣用句について解説します!
「論より証拠」とは、あれこれ議論するよりも証拠を示す方が手っ取り早いという意味のことわざです。
「説明はもういい、データを見せてくれ。諭より証拠だよ。」みたいに使うよ!
「諭より証拠」という言葉は、江戸いろはかるたが由来と言われています。子どもの頃にかるた遊びをした経験がある方には、馴染み深いことわざかもしれませんね。
この記事では「論より証拠」という言葉の詳しい意味や由来、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
諭より証拠とは?意味は「あれこれ議論するよりも、証拠を示す方が手っ取り早い」
「諭より証拠」の意味=あれこれ議論するよりも、証拠を示す方が手っ取り早い
諭より証拠とは、理論や仮定についてあれこれと話し合うよりも、事実や根拠などの証拠を示すほうが確実であるという意味の言葉です。
ここでの「論」とは、意見を交換し合う議論を意味します。「証拠」は真実を明確にする根拠という意味です。
漢字の意味からも「口頭での説明や議論よりも、はっきりとした証拠を示す方が確かである」というニュアンスが伝わってきますね。
日常会話やビジネスシーンなど、相手を説得したい場面でよく使われている言葉ですね。聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
どんなに言葉巧みに説明や議論を重ねても、内容が事実と一致していないのなら意味がないということです。
横文字ビジネス用語の「エビデンス(evidence=証拠、物証、形跡)」も、諭より証拠と近い意味で使用されていますね。
言葉を交わすより、証拠を提示した方が有効ってことなんだね!
諭より証拠の由来や語源は、江戸時代のかるた?浄瑠璃の演目?
「論より証拠」の由来、語源=「江戸いろはかるた」の「ろ」の札に使用されたことわざ
「諭より証拠」は、江戸時代後期につくられた「江戸いろはかるた」の「ろ」の札に書かれています。
江戸いろはかるたは、いろは歌をもとに48個のことわざを絵札にしたもので「い」の「犬も歩けば棒に当たる」が有名なことから「犬棒かるた」とも呼ばれます。
武士が藁人形を持っている絵柄はなかなかインパクトがありますよね。
自分を呪った犯人に、証拠である藁人形を見せつけて黙らせた…というエピソードが由来だそうです。
確固たる証拠の品を見せつけ、相手がぐうの音も出ないように打ち負かす意味の決め台詞として「諭より証拠、藁人形」という言葉が使われていました。
ほかにも、人形浄瑠璃の演目「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」の台詞が由来という説もあります。
「論より証拠、手引きして、此の城を乗っ取らせ、拙者が心底見せ申さん」
引用:浄瑠璃「神霊矢口渡」(1770)より
いずれにせよ、論より証拠ということわざは江戸時代から人々に広く親しまれていたと言えますね。
証拠を相手に突き付けて黙らせるというエピソードが由来なんだね!
論より証拠の使い方・例文
使用例①ビジネスシーンで…
口だけで説明するよりも、正確なデータや根拠を示すスキルが重要ですね。
明日のプレゼン、このデータを提示すれば勝てそうですね!さすが部長!
いくら言葉を尽くしても、確かな根拠がなければ信用には繋がらないだろう?諭より証拠ってやつさ。
エビデンスってやつですね!勉強になります。
使用例②白黒つけたいときに…
言い訳や長ったらしい説明は不要!結局証拠がすべてです。
指示通り動いただけです。改ざんなんてしてないです…。
諭より証拠ですよ。説明を聞かずとも、このカメラの映像を見れば全てがわかります。
使用例③推し活にも…!?
魅力やすばらしさを端的に伝えたいときに「諭より証拠」の考え方は有効かもしれませんね。
この子、最近テレビでよく見かけるけど正直微妙じゃない?
彼女のライブを見たら才能と魅力に気づくはずさ!諭より証拠だよ。今度一緒に行こうぜ。
諭より証拠の類義語や言い換え、対義語
諭より証拠の類義語と対義語についても見ていきましょう!
諭より証拠の類義語や言い換え
諭より証拠の類義語や言い換えとしては下記のものがあります。
百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
人から100回聞くよりも、自分の目で1回見た方が確かであるという意味です。中国の歴史書が由来の言葉です。
あの名画のすばらしさは、実際に見ないとわからないよ。百聞は一見に如かずさ!
鯛も鮃も食うた者が知る(たいもひらめもくうたものがしる)
鯛やヒラメの美味しさや違いは、人から聞くよりも食べてみないとわからないという意味です。
うちの店の味?鯛も鮃も食うた者が知るっていうだろ?一度食べてみればわかるさ!
諭より証拠の対義語
諭より証拠に対義語はありません。